台湾での朝ごはんは、完全に外食頼りだ。なぜなら、私の住んでいるアパートにはキッチンがない。学生向けのアパートには基本的に調理設備がないことが多く、料理好きな人にはちょっと不便かもしれない。でも、台湾は外食文化が発達しているので、朝食を作る必要がないのはむしろ楽でいいかも? と思うようになった。
朝ごはんを食べる方法は大きく分けて二つ。ひとつは、前日にパンを買っておくパターン。パン屋さんはどこにでもあるので、学校帰りに寄って、翌朝サクッと食べるのもアリ。ただ、台湾のパンは甘い系が多く、日本のようなシンプルな食パンが意外と少ない。おかずパンを選ぼうとすると、中から謎の甘いマヨネーズや肉鬆(甘いふりかけのような豚肉)が出てくることもあるので注意が必要だ(これも慣れるとうまい)。
もうひとつは、学校に行く道中で朝食を買うパターン。これが一番多い。台湾は朝ごはん文化が豊かで、朝早くから営業しているお店がたくさんある。特に語学学校の周辺は学生街なので、朝食店の選択肢がめちゃくちゃ多い。
その中でも、個人的にお気に入りなのが台湾式おにぎり「飯糰」。これは日本のおにぎりとは違い、もち米でできていて、具材もたっぷり入っている。定番の具は、油條(揚げパン)、肉鬆、たくあん、卵など。店によっては好きな具材を選べるところもあり、カスタマイズできるのが楽しい。ご飯のサイズも結構大きめなので、ひとつ食べればしっかりお腹が満たされる。でも朝から油條は胃にきついので抜きにしてもらったりする。これに無糖の豆乳をセットにすると、朝から健康的な気分になる(気がするだけ)。
もちろん、飯糰以外にも朝食の選択肢は豊富だ。
- 蛋餅(ダンピン):台湾式のクレープのようなもの。もちもちの生地に卵を巻いて焼き、ソースをかけて食べる。シンプルな卵入りのほか、ベーコンやチーズ入りなどトッピングも豊富。
- 肉包(ロウバオ):中華まん。肉まん以外にも、野菜入りやあんこ入りなど種類がたくさんある。個人的に好きなのは「芝麻包(胡麻まん)」。
- 蔥油餅(ツォンヨウビン):ネギ入りのパリパリしたパンケーキのようなもの。ボリュームがあり、小腹が空いたときにぴったり。
- 鹹豆漿(シェンドウジャン):塩味の豆乳スープ。お酢が入っていて、豆乳がふわふわの食感になる。そこに油條(揚げパン)やザーサイ、ネギが入っていて、朝から優しい味わいを楽しめる。個人的に「台湾っぽい朝食No.1」と思っている。
飲み物も選択肢が多いが、個人的には「紅茶豆漿(ホンチャードウジャン)」が一番お気に入り。豆乳と紅茶を混ぜたもので、ちょうどいい甘さとコクがあってクセになる味。最初は「豆乳と紅茶って合うの?」と思っていたけど、試してみたら意外とハマってしまい、今では朝の定番ドリンクになった。
また、台湾ではテイクアウト文化が根付いていて、朝ごはんを手に持って歩きながら登校する学生も多い。私も飯糰や蛋餅を片手に、紅茶豆漿を飲みながら学校へ向かうことがよくある。さらに、授業が始まる前に教室で朝ごはんを食べるクラスメイトもいて、机の上には蛋餅や豆乳が並ぶことも珍しくない。こういうところは日本の学校とは違って、ちょっと新鮮だった。
こうして、毎朝「今日は何を食べようかな?」と考えながら、学校へ向かうのが日課になった。台湾の朝ごはんはバリエーション豊富で飽きることがない。これなら、キッチンがなくても全然問題なさそうだ。
次回、発音が通じない!