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観光だけじゃない!暮らして感じる台南の本当の魅力

2025年5月の台南日台交流会では、「私が考える台南の魅力」をテーマに、日本人と台湾人の参加者が自由に意見を交わしました。今回の会では、台南に長く暮らしている台湾人、短期滞在中の日本人、旅行で何度も訪れたことがある方など、さまざまな立場の方が集まりました。そのため、それぞれが感じている台南の良さが多角的に語られ、とても内容の濃い時間となりました。

台南の街を「住む場所」として見るのか、「旅先」として見るのかによって印象は変わりますが、共通して聞こえてきたのは、台南には他の都市にはない“温かさ”があるということ。それは気候や街の雰囲気だけでなく、人のふるまいや文化、時間の流れにも表れているようです。

参加者の発言からは、「天気がいい」「ごはんが安くて美味しい」といった生活に密着した話から、「空気が甘い気がする」「路地がかわいい」「人が優しい」といった感覚的なコメントまで、台南に対する愛情が伝わってきました。また、歴史的な建物やレトロなカフェなど、目に見える魅力もたくさん語られました。

それでは、皆さんが語ってくれた「台南の魅力」を一つずつご紹介していきましょう。あなたの感じている台南の魅力と重なる部分があるかもしれません。

目次

晴れの日が多い、気持ちの良い気候

交流会でまず多くの人が話題にしたのが、「台南はとにかく天気がいい!」ということでした。台南は台湾の中でも特に降水量が少なく、年間を通して晴れの日が多い地域として知られています。日本の梅雨時期に台南を訪れた日本人参加者は、「あまりに毎日晴れていて驚いた」と感想を述べていました。雨が少ないことで、出かける予定が立てやすい、傘を持ち歩く必要がないなど、生活の中で感じる利便性も高く評価されていました。

特に現地在住の台湾人参加者からは、「洗濯物がすぐ乾く」「布団がよく干せる」といった日常生活の中で実感できるメリットが挙げられ、実用面での暮らしやすさを感じている様子がうかがえました。また、晴天に恵まれた気候は観光客にとっても魅力的で、歴史的な街並みやレトロな路地をゆっくりと散策するにはぴったりの環境です。写真映えする空や光の入り方も、台南が“映える街”と呼ばれる理由のひとつかもしれません。

さらに、晴れた日が多いことで全体的に気分が明るくなる、という声も。天候が良いと自然と外出する機会も増え、人と人との出会いが生まれやすくなることも、台南の穏やかで親しみやすい雰囲気につながっているのではないかという意見も印象的でした。

このように、単に「雨が少ない」という事実以上に、晴れの日が多いという気候が、人々の暮らしや街の空気感に大きな影響を与えていることが、参加者同士の話し合いから見えてきました。

安くて美味しいグルメ天国

「台南といえばやっぱりごはん!」という声が、参加者の間で何度も聞かれました。「食べ物が安くて美味しい」というのは、台南を語るうえで欠かせない魅力です。特にローカルな小吃(シャオチー)は、地元の人にも観光客にも愛されており、種類も豊富で、しかも財布に優しいのが嬉しいポイントです。

台湾人の参加者からは、「1日3食すべて外食でも困らない街」といった発言もあり、日本人の参加者も「毎日違う店に行っても飽きない」「この味と値段でこの満足感はすごい」と感動していました。牛肉湯、担仔麵、蝦捲、米糕、鹹粥、豆花など、挙げ始めるとキリがないほど豊富なメニューが存在し、どれも地元に根付いた味ばかりです。

また、台南では朝ごはん専門店や夜市も充実しており、早朝から深夜まで美味しいものが食べられるというのも魅力。特に夜市はリーズナブルな価格でお腹も心も満たされると大人気でした。

食事が気軽に楽しめることは、暮らしやすさに直結します。料理が苦手な人でも、自炊せずに生活できるほど外食文化が浸透しており、日々の食が“楽しみ”になるのが台南の特徴と言えるでしょう。「コスパ最強の美食の都」という言葉に、誰もがうなずいていました。

「空気が甘い」?のんびりとした街の空気感

今回の交流会の中でも、特に印象に残ったのが、ある台湾人参加者が言った「台南の空気って、なんか甘い感じがするんです」という一言でした。これには多くの人が「その表現、わかる!」と頷き、そこから台南独特の雰囲気について話が広がりました。

この“甘い空気”とは、実際に香りが甘いというよりも、街の持つやわらかくてゆるやかな空気感、そして人々の優しさや風景の穏やかさが合わさって、全体として感じられる心地よさのことのようです。特に日本から来た参加者の中には、「空気がピリピリしてない」「街全体がリラックスしているように感じる」と話す方もいて、都会の喧騒を離れて“癒される”感覚を味わっている様子でした。

台南では信号待ちでも急かされる感じがなく、カフェに入っても店員さんがやさしく声をかけてくれる。朝の市場にもどこかあたたかい空気が流れている。こうした日常の積み重ねが、「台南ってなんかいいよね」という感覚につながっているのだと思われます。

また、廟の線香の香りや、甘い豆花やフルーツの匂いが町に漂っていることも、こうした“空気の甘さ”に一役買っているのかもしれません。台南に一歩足を踏み入れると感じる、目には見えないけれど確かにそこにある心地よさ。それが、台南の空気が“甘い”と言われる理由なのかもしれません。

路地裏の可愛さとレトロな街並み

台南の魅力として多くの参加者が挙げたのが、「街歩きの楽しさ」です。中でも特に話題になったのが、台南に点在する路地裏の風景や、小道の可愛らしさでした。「小道や路地が多くて、ただ歩くだけで楽しい」「どこを撮っても絵になる場所が多い」といった感想が多く寄せられました。

台南の旧市街には、車が通れないような細い路地が入り組んでおり、角を曲がるたびに新しい発見があります。色とりどりの家の壁、軒先に吊るされたランタン、手描きの看板や壁画、そして風に揺れる洗濯物さえも、台南らしい風景として心に残ります。こうした生活感と美しさが同居している点が、街歩きを特別な体験にしてくれるのです。

また、古い町家や石畳の通り、レンガ造りの建物が残るエリアでは、日本統治時代や清朝の面影が感じられ、どこか懐かしく、どこか温かい雰囲気が漂います。単に「古い」だけでなく、丁寧に保存されていたり、リノベーションされてカフェや雑貨屋として活用されていたりと、過去と現在が自然に溶け合っている様子が魅力的です。

「神農街」や「正興街」などは特に人気のエリアで、観光客も多い場所ですが、一本裏道に入れば地元の人の生活が息づいており、観光と日常が交差するバランスが心地よいという声もありました。

こうした“歩くことで見えてくる魅力”が詰まった街は、実はあまり多くありません。台南の路地裏には、目に見える歴史とともに、人々の暮らしの痕跡が丁寧に積み重ねられていて、それが“可愛さ”や“懐かしさ”として感じられるのだと、参加者たちは語っていました。写真を撮るためではなく、ただ歩きたいと思わせる――そんな街が台南です。

廟と伝統行事が身近にある暮らし

台南を語るうえで欠かせない要素のひとつが、廟(びょう/ミャオ)とそこに根づく伝統文化です。街のあちこちに大小さまざまな廟が点在し、年間を通じて多くの祭事や宗教行事が行われています。参加者の多くが「暮らしの中に自然と伝統文化がある」と感じており、それが台南独自の魅力につながっていると話していました。

たとえばある台湾人参加者は、「朝、家を出るとお線香の香りがするのが当たり前」「道を歩いていて爆竹の音が聞こえると、“ああ、今日は何かあるな”と気づく」と話し、台南では伝統行事が日常の風景として溶け込んでいることがよく分かりました。日本人の参加者にとっては、こうした体験は非日常でありながらも、どこか懐かしいような、人の暮らしの根本に触れる感覚として新鮮に映ったようです。

また、宗教行事の規模の大きさも印象的です。たとえば大きな神様の誕辰(誕生日)には、町全体を巻き込むようなパレードが行われ、太鼓の音や爆竹、華やかな衣装に身を包んだ行列が街を練り歩きます。廟の前には屋台が並び、周辺はにぎやかなお祭りムードに包まれます。これらの行事には、信仰の意味だけでなく、地域のつながりや文化継承の場としての役割もあり、年齢や世代を超えて多くの人が関わっていることが伝わってきました。

廟そのものも、建築としての美しさや歴史的価値が高く、観光客にも人気のスポットです。しかし、それ以上に、地域の人々にとっては「日々お参りに立ち寄る場所」「家族の幸せを願う場所」として、生活に根づいているという点に、台南ならではの文化の深さを感じます。

このように、廟と伝統行事が生活のすぐそばにあることは、ただの観光資源ではなく、“生きた文化”として人々の心と暮らしを支えているのです。台南の魅力は、こうした目には見えにくい文化の積み重ねにもあると、参加者の言葉から感じることができました。

優しい人との距離の近さ

「台南の人は本当に優しい」というのは、今回の交流会で何度も繰り返された共通の意見でした。特に日本から来た参加者にとっては、その“人との距離の近さ”が印象的だったようで、都会的なスピード感やよそよそしさとは違う、あたたかな人との関わりに心を打たれたという声が多く聞かれました。

たとえば、道に迷って地図を見ていると、近くにいた人が「どこ行くの?手伝おうか」と自然に声をかけてくれたり、バスの乗り方が分からない時に一緒に降りる場所を確認してくれたり。こうしたさりげない親切が、日常の中に普通にあるのが台南の魅力です。

また、お店でのやりとりも印象的です。カフェや屋台の店員さんが、注文を通すだけでなく「どこから来たの?」「この店は初めて?」などと話しかけてくれることが多く、観光客であっても“お客さん”というより“近所の人”のような親しみ方をしてくれます。この距離感が、訪れる人をリラックスさせ、また来たくなる理由のひとつになっています。

台湾人の参加者も、「台南は台湾の中でも特に人がフレンドリー」と語っており、地元の人同士でも日常的に笑顔であいさつを交わしたり、天気の話をしたりと、人とのつながりを大切にする文化が根づいていることが伝わってきました。

こうした人と人とのやさしい関係性が、街全体の雰囲気を柔らかく、あたたかくしているのだと感じた参加者も多くいました。「台南は、人に会うたびに好きになる街」という言葉が、交流会の最後に語られたのが印象的でした。単なる親切ではなく、自然体で心を開いてくれる人たちがいること。それこそが、台南の“また訪れたくなる理由”のひとつなのです。

歴史と個性を感じるカフェや建物

台南の魅力として参加者が挙げたもう一つの大きな特徴が、「歴史的な建物の多さ」と「それを活かした個性的なカフェやショップの存在」でした。清朝時代や日本統治時代に建てられた建築物が今も多く残り、単に保存されているだけでなく、現代的にリノベーションされて再活用されていることが、台南ならではの風景を作り出しています。

たとえば、古い町家や倉庫を改装してつくられたカフェでは、木の梁やレンガ壁、アンティーク調の家具などが取り入れられ、どこか懐かしさを感じさせる空間に仕上がっています。そうした場所では、建物そのものの歴史や物語を感じながらコーヒーを味わうことができるため、ただ飲食をする以上の豊かな時間を過ごすことができます。

また、建物の外観だけでなく、店主のこだわりやセンスが詰まった内装・メニュー・雑貨なども魅力のひとつで、それぞれの店に個性があります。交流会の中では「街全体がまるで野外の美術館のよう」と表現した人もいたほどで、歩いているだけで次々と目を引くスポットに出会えるのが台南の魅力です。

SNS世代の参加者からは、「どこを切り取っても映える」「何枚でも写真を撮りたくなる街」という声もありました。レトロと現代が自然に融合した台南の街並みは、単なる“観光地”ではなく、“感性を刺激する日常空間”として、訪れる人の記憶に深く残ります。

こうした“歴史を活かしたクリエイティブな再生”が台南では当たり前のように行われていて、それが街全体に独特の雰囲気をもたらしている――そんな点に、多くの参加者が魅了されていました。古き良きものを大切にしつつ、新しい価値を生み出す街。それが、今の台南なのです。

まとめ:台南の魅力は“感じる”もの

今回の台南日台交流会では、「私が考える台南の魅力」というテーマのもと、日本人と台湾人の参加者がさまざまな視点から台南について語り合いました。天候の良さや美味しい食文化、歴史的な街並みやレトロなカフェ、そして何より“人のあたたかさ”と“暮らしの中に息づく伝統文化”など、台南の魅力は多岐にわたります。

話し合いの中で印象的だったのは、参加者の多くが「台南の良さは数字や言葉では表しきれない、“感覚的な心地よさ”だ」と感じていたことです。たとえば「空気が甘い」といった独特の表現や、「どこか懐かしい感じ」「何もしていなくても落ち着く」といった感想に代表されるように、台南には“そこにいるだけで癒される”力があるのです。

これは単に観光地としての魅力を超えた、人と人との距離の近さ、ゆるやかな時間の流れ、そして暮らしの中に文化が生きている街だからこそ生まれる空気感なのかもしれません。住んでいる人にも、初めて訪れた人にも、「また戻ってきたくなる」と思わせる何かが、台南には確かに存在しています。

こうした思いを言葉にし、共有する場として、台南日台交流会のような取り組みはますます意義あるものだと感じました。今後も私たちは、台南という街の魅力や日台のつながりについて、参加者同士で語り合い、体感し、共に深めていく機会を続けていきます。台南の魅力は、“知る”だけでなく、“感じる”ことでこそ本当の価値が伝わる――そんなことを実感できる夜となりました。

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